アンビリカルケーブル。

さっぱりカウンターは回りませんが、数多くの読者がいると妄想しつつ更新しております。

こんばんわ。今日も大して不平不満のないあぱでございます。

おまちかねの(誰も待ってないとか言わない)潜水士のオシゴトシリーズ第2話です。

タイトルは一部熱狂的なファンが存在するアニメから拝借したわけですが、
本来はへその緒とか言う意味らしいです。転じて作業ロボットの電源供給兼リモコンケーブルのことをさすことが多いらしいです。

さて、
ワタクシメはリモコンで動くロボットでもなければ暴走しがちな巨大半生物ロボット兵器でもないわけですが、アンビリカルケーブルとおぼしきものを引きずって仕事をしているわけです。
これは主に空気を送ってもらうためのもので、この科学の発達した時代に忍者のすいとんの術と大して変わりない手法で海に潜っているわけです。
たいていの方は潜水といえば、空気タンクを背負ったスキューバを思い浮かべるでしょう。(SCUBA:自給式潜水)
が。タンクの容量には限りがあって、当然潜水時間も限られるわけで、主に浅海域で長時間作業するわれわれにはとても不向きなのです。そこでこの派手な色のホースが必要になるのです。
地上から継続的に空気を供給することで時間を制限されることなくこき使われるわけです(マテ

ではワタクシメの愛用の装備を説明しましょう。
photo/equip1 photo/equip2

まずは左の写真から。
エンジンコンプレッサー
空気圧縮装置です。水の中で呼吸するには、地上よりも高い空気圧が必要です。フーカーと呼ばれるわれわれの潜水器具では、7気圧から10気圧が必要になります。
小型のエンジンを動力として、10気圧程度の圧縮空気を送り出します。エンジン駆動なのでどこでも使えるありがたいやつです。ごくまれに気まぐれで止まります・・・

予備タンク
気まぐれでコンプレッサーが止まったときのみ活躍します。ココに10気圧の空気をためておいて、緊急時にはこのタンクから空気を供給します。容量は30㍑ぐらいです。(30*10で地上だと300リットル分吸えることになります)
一応5分ぐらいは供給できます。予備タンクに切り替えたら5分以内に浮上しないと・・・南無。

送気ホース
潜水方式の名前をとって「フーカーホース」と呼ばれます。太さはあなたの家の庭にもあるホースと同じぐらい。ただし内径は6mmぐらいです。ものすごく肉厚です(10気圧に耐えないといけませんから)。緊急時にはこのホースを引っ張って引きずりあげてもらいます。命綱ともいえるとても大事なものです。
以前潜水中に破裂したことがあるのは内緒です。

有線電話
水中で作業するワタクシと陸上との通話装置です。これを通じてクレーンに指示を出したり、陸上から方向を誘導してもらったり、こっそり愚痴をこぼしたりといろいろと活躍します。同時通話ではなく無線のような感じですが、水中側にスイッチはないので通常は潜水士の声が常に聞こえています。独り言もすべて陸上に筒抜けです。上機嫌で鼻歌交じりに作業するとあとで後悔します。

ウエイト
ドライスーツという浮力を持った潜水服を着るのでその浮力を相殺するための錘です。通常これぐらい背負ってます。
体が大きい人は多く、小さい人は少なめです。ワタクシメの補助につく人はかなり不平をこぼします。

続いて右側。体につけるほうのアップです。
マスクにくっついてるものから。
レギュレーター
これはスキューバ潜水のセカンドステージと同じものです。ドカタ仕様で頑丈に作ってあります。
��0気圧で送られてくる空気を水深にあわせた圧力(10メートルで2気圧20メートルで3気圧)まで微調整して下げて供給してくれます。一応精密機器です。レジャーなどでは予備に二つ装備されていますが、われわれは予備を持っていません。水中でこれが故障すると・・・・南無。

水中マイク
ちなみにマスクのベルトの耳に当たる部分にもうひとつついています(マスクのガラス越しにうっすら赤く写っています)。両方とも機能は同じです。マイク兼スピーカーです。これの調子が悪くなると、送気員と潜水士のコンビの仲が悪くなって喧嘩になったりします。「○○よこせー」 「ナニ言ってるかわかんねーぞー」 「イーからよこせやゴルァ」
「だからわかんねーよゴルァ」・・・・・南無。

背中に背負うのは
活性炭フィルター
一応有害ガスとか除去してくれたりします。ニオイもある程度除去するので、ダレカがコンプレッサーに放屁するという暴挙に出ても安心です。壊れると・・・・なんか困るかなぁ。おいらはクサイのは嫌なのでつけてます。
つけていない人もいるのは内緒です。

枝分かれしてる細いホースは
インフレーター
これはドライスーツ内部に空気を供給するためのホースです。よく深海でボールがぐしゃっとなる光景がありますよねぇ。ああならないように潜水服の内部にも空気を供給します。これで水の中での浮力も調整するので手動で供給します。この供給のコツが少々熟練の要るところでしょうか。壊れると、浮力を得ることができなくて沈み、さらに浮力が減ってさらに沈み・・・南無。
同じフーカーホースからの供給のなので地上からの供給が止まると、呼吸ができなくてさらに浮上するための浮力も足りない事態になります。

フーカーホースに沿っている黒い線
電話線
われわれの通話装置は無線のような使用感ではありますが無線ではありません。あくまでも有線です。いわばインターホンのようなものです。(過去には本当にインターホンが使われてました)これの調子が悪くなると、聞こえねーぞ(以下略)

以上が主要な装備です。あとは潜水服と足ひれさえあれば30mぐらいまでは潜れます。
装備のほとんどがどれも重要なものばかりで、潜水中に壊れるとやばいものだらけです。
なので道具の手入れは入念に・・・しなけりゃならないんですが、ほとんど壊れかけてから直すのが現状なのは内緒にしておいてください。

潜水器具なんてえらそうなこと言っても、コンプレッサーなんて塗装用のものをちょこっと改良しただけですし、予備タンクは本当に塗装用です。レギュレーターホースの保護にまいてある派手な色のものは100円ショップで買ったものだし、フィルターを背負うための背負いひもは自転車のチューブだったりしますw

意外とチープな装備で潜ってるでしょ?

このチープなものの集まりが日々のワタクシメの命を守ってくれてたりするんですよ。

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