脇役。

「マンデラの名もなき看守」と言う映画を見た。
私がこの映画に見たのは「名もなき看守」でもあり同時に「名もなき通訳」でもありました。

通訳と言う職業はケシテ表舞台には出てきません。
現代では電子技術の進歩によって、基本的な翻訳ぐらいはコンピューターがこなすようになってきました。

それでもありとあらゆる交渉/交流の現場に通訳が欠かせません。
なぜか?

通訳の方々はただ単に言葉を翻訳してるわけではないのです。
言語には必ず文化的な背景がついて回ります。異なる言語の仲介をするのは、異なる文化を仲介するようなものなのです。
ワタクシメの得意な英語で例をあげてみましょう。
レディース アンド ジェントルメン。 簡単ですよね?
答えは 紳士、淑女の皆さん ですね。
‥はて。
男性を示す言葉と女性を示す言葉の順番が入れ替わってますね。
正確じゃありませんよね、翻訳としては。
‥分かっていただけましたかね?
そこここに文化の違いを考慮しなきゃならないわけですよ。
異なる文化をもつグループが接するとき、両方の文化を理解する仲介者が必要となるのです。
それが通訳なんだなと。あらためて思い起こされました。
政治、経済の国際化が急速に進む昨今。
十分な人数の優秀な「通訳」が確保されているのか。
TOEICが何点とか、英検が何級とか、そんなもんじゃ通訳の能力は測れないと思うんですよ。
「言語」を学んでも「通訳」にはなり得ない。
今の英語教育で通訳が育つとは思えません。
ケシテ目立たない。名前が残ることもない。
それでも彼らなくしては貿易も成り立たない。歴史も動かない。
ITの発展によって世界が急速に交流を活発化させてきた今こそ、
この目立たない、じみな職業が再び脚光を浴びると思うのです。
外国語を懸命に勉強しているそこのあなた。
ネイティブスピーカーの発音よりも、かれらの思考回路を解析したほうがいいかもしれませんぜ?
かくいうワタクシメは大した通訳ができないのはナイショですよ。

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